身元保証のけんさく
“信頼”を積み重ねて24年——きずなの会の取り組み・五十君様インタビュー

“信頼”を積み重ねて24年——きずなの会の取り組み・五十君様インタビュー

更新日: 2025年09月19日

24年前、まだ「身元保証」という言葉さえ知られていなかった頃から活動を続けてきたきずなの会。その歩みを支えてきたのが、きずなの会 常務理事の五十君様。創立間もない頃から24年近く活動を共にし、現在は春日井支局長として地域を支え続けています。

今回、その五十君様にインタビューを行い、これまでの歩みや大切にしている想いについて伺いました。福祉現場で保証人がいないことで困っている方を目にし、「何とかしたい」と思ったのが入社のきっかけでした。当時は創立してまだ2年目。そこから24年近くを経て、組織は100名規模に成長しました。「お客様に誠実に対応し、信頼を積み重ねてきたからこそ今がある」と語ります。

きずなの会 常務理事の五十君様

身元保証が受け入れられなかった時代から

創業間もない頃は「法人が身元保証を担う」という仕組みは理解されにくく、施設からも戸惑いの声がありました。それでも、サービスを必要とする方に寄り添い続けたことで、やがて施設の職員や医療関係者から信頼を得るようになりました。

今では逆に「きずなの会と契約したい」と声をかけられるまでになり、当時の苦労が大きな財産になっていると振り返ります。そして今では、お陰様で『身元保証』という言葉自体も一般的に知られるようになり、社会に広く受け入れられる存在になってきました。

忘れられないエピソード

五十君さんが特に印象に残っている出来事があります。ある利用者が亡くなり、自宅を整理していたとき、疎遠だった娘さんの写真が出てきました。本来であれば契約にない対応ですが、「親が子どもを大事に想っていた」という事実をなかったことにはできないと考え、娘さんへ写真を届けたそうです。連絡を絶っていた娘さんからは深い感謝の言葉が返ってきました。

「人にとって一番つらいのは、誰からも記憶されず、存在が消えてしまうこと。だからこそ、その人の生き様を残すことを大切にしているんです」と語ります。きずなの会の職員は、ときにその人の最期をともに過ごし、生き様を記憶に残す立場になることもあります。だからこそ、人生をどう残していくかという視点を大事にしているのです。

身元保証という責任ある仕事の中で、苦労もありながら「人に寄り添える喜びが何より」と語る五十君様の笑顔。

人材育成と安心の支援体制

きずなの会は、新卒採用を行いながら長期的な人材育成に力を入れています。数年単位ではなく、5年、10年、20年先を見据えて、お客様に長く質の高い支援を届けるためです。また、24時間365日対応できる体制を整え、夜間の緊急時にも必ず駆けつけられるように人員配置やシフトに投資しています。

「生活支援と掲げる以上、駆けつけないわけにはいきません」と、信頼を裏切らない仕組みづくりを徹底しています。人材を育てることも、体制を整えることも、すべては利用者の安心につながるもの。短期的な効率や利益よりも、長期にわたり寄り添える組織であり続けることを大切にしているのです。

きずなの会の採用ページ。きずなの会では、お客様へ質の高いサービスを提供するために、共に歩む人材を大切にしています。

信頼と拠点展開、そしてこれから

こうした積み重ねが病院や施設からの信頼につながり、現在は愛知県内に6拠点を構えています。1県1拠点が多い中で、広域をカバーできる体制を築いてきたのも特徴です。全国各地から立ち上げを望む声も寄せられていますが、「無理に拡大して品質を落とすわけにはいかない」と、あくまで一つ一つ丁寧に運営する姿勢を貫いています。利益よりも契約してくださった一人ひとりのお客様に誠実に向き合うことが最優先なのです。

一方で、身元保証の事業は資格が不要なこともあり、参入する事業者は増え続けています。五十君さんは「だからこそ品質を担保する取り組みが必要」と語り、業界全体で問題を考える時期に来ていると感じています。行政による推進も進んでいますが、成年後見制度だけでは生活支援の細やかな部分まではカバーできません。だからこそ、民間による身元保証サービスの存在意義はこれからも大きいといいます。


契約を望む方へ

最後に、どんな方がきずなの会のサービスに合っているかを尋ねると、「契約内容を理解し、本当に必要な支援を求める方」と答えてくれました。契約時には必ず弁護士が同席し、本人に意思決定能力がない場合は契約を見送る体制も整えています。逆に「曖昧な内容でも安く済ませたい」という方には向かないかもしれません。「きずなの会」は、誠実に向き合える人たちとともに歩んでいく組織なのです。


きずなの会とは

認定NPO法人きずなの会は、入院や施設入居の際に身元保証人がいない方を支える団体です。身元保証にとどまらず、生活支援や葬送支援まで一貫して提供し、緊急時には24時間365日いつでも対応できる体制を整えています。弁護士法人との連携により法的な手続きにも対応可能で、安心して任せられる仕組みを築いています。
名古屋を中心に愛知県内各地に拠点を持ち、地域に根ざした活動を続ける中で、多くの利用者や施設から信頼を得てきました。契約以上に人に寄り添う姿勢を大切に、これからも安心の支援を届けていきます。


身元保証のけんさく編集部より

今回のインタビューを通じて強く感じられたのは、「契約に書かれていること」だけを守るのではなく、その一歩先で人に寄り添う姿勢でした。制度や仕組みでは補いきれない部分に向き合うことこそ、きずなの会の大きな価値だといえます。身元保証を検討する方にとって、単なる安心を超えた信頼を預けられる存在になるでしょう。

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編集者プロフィール
身元保証のけんさく編集部

身元保証のけんさく編集部

月間数十件の身元保証・高齢者支援相談で培った実務知識を持つ専門編集者。
法律・介護・費用相場まで横断的に精通し、読者の「もしも」への備えをわかりやすく発信します。

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