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「代襲相続人」とは?祖父母や甥・姪が相続するケースを徹底解説
更新日: 2025年09月10日
相続は人生において避けられない問題の一つであり、特に「代襲相続」は複雑なルールを伴うことが多いです。この記事では、代襲相続の基本的な概念から、祖父母や甥・姪が相続する具体的なケース、法律的な注意点まで、幅広く解説します。
1. 代襲相続とは何か?
代襲相続とは、法定相続人が、被相続人(亡くなった人)が亡くなる前に死亡、または相続欠格・廃除によって相続権を失った場合に、その直系の子孫が代わりに相続する制度です。
- 目的: 家族の財産を世代を超えて引き継ぎ、公平な財産分配を実現するために設けられています。
- 成立条件:
- 法定相続人が相続開始時に死亡していること。
- 相続欠格(法律上の理由で相続権を失う)または廃除(被相続人によって相続権を奪われる)に該当すること。
- 代襲相続人となる人物(法定相続人の直系の子孫)が存在すること。
2. 代襲相続の具体的なケース
代襲相続は、主に以下の2つのケースで発生します。
ケース1:孫が相続人になる場合
被相続人(父)に、子(A)がいたとします。通常、子(A)が相続人になりますが、もし子(A)が被相続人(父)より先に亡くなっていた場合、子(A)の子(つまり被相続人にとっての孫)が代襲相続人となり、相続権を引き継ぎます。
ケース2:甥・姪が相続人になる場合
被相続人(A)に、兄弟姉妹(B)がいたとします。通常、被相続人に子や親がいない場合、兄弟姉妹(B)が相続人になります。しかし、もし兄弟姉妹(B)が被相続人(A)より先に亡くなっていた場合、兄弟姉妹(B)の子(つまり甥・姪)が代襲相続人となり、相続権を引き継ぎます。
3. 代襲相続と相続税
代襲相続人が受け取る遺産には、通常の相続と同様に相続税がかかります。
- 基礎控除額: 相続税には、以下の計算式で求められる基礎控除額があり、遺産総額がこの額を超える場合に課税されます。 基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
- 代襲相続人の数え方: 代襲相続人も、この「法定相続人の数」に含まれます。たとえば、亡くなった父の遺産を、母、子、孫(亡くなった子に代わって代襲相続)が相続する場合、法定相続人は3人として計算されます。
4. 代襲相続で注意すべき点
代襲相続は複雑な手続きを伴うことがあるため、以下の点に注意が必要です。
- 遺言書の存在: 被相続人が遺言書を残している場合、その内容が優先されます。代襲相続に関する特定の指示がないか、事前に確認することが重要です。
- 相続放棄の可能性: 代襲相続人も相続放棄をする権利があります。もし代襲相続人が相続放棄をすると、その相続人は最初から相続人ではなかったことになり、相続権は他の相続人に移ります。
- 専門家への相談: 代襲相続の手続きは、戸籍謄本の収集や相続税の計算など、専門的な知識が必要です。手続きに不安がある場合は、司法書士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
代襲相続は、相続人が先に亡くなった場合に、その子供や孫が代わりに相続する重要な制度です。
この制度を正しく理解しておくことで、複雑な相続手続きをスムーズに進め、家族間のトラブルを未然に防ぐことができます。相続税の計算や遺言書の確認など、多くの注意点がありますが、基本的なルールを把握し、必要に応じて専門家のサポートを得ながら、円満な相続を実現しましょう。

編集者プロフィール

身元保証のけんさく編集部
月間数十件の身元保証・高齢者支援相談で培った実務知識を持つ専門編集者。
法律・介護・費用相場まで横断的に精通し、読者の「もしも」への備えをわかりやすく発信します。