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運転免許の年齢制限、高齢者は何歳まで?75歳以上の免許更新と「免許返納」を徹底解説
更新日: 2025年09月04日
「親も高齢だけど、運転はいつまで大丈夫だろうか…」 「自分自身の運転能力に、少し不安を感じるようになってきた…」
高齢化が進む日本において、高齢者の運転は、ご本人にとってもご家族にとっても、そして社会全体にとっても大きな関心事です。特に地方では、車がなければ生活が成り立たないという現実もあります。
この記事では、「運転免許に年齢制限はあるのか?」という根本的な疑問から、75歳以上の方が免許を更新する際のルール、そして近年注目されている「免許の自主返納」制度まで、知っておくべき情報を分かりやすく解説します。
結論:運転免許に年齢の上限はない。ただし「更新時の検査」が必須に
まず、最も重要な結論からお伝えします。 日本の法律には**「〇歳になったら免許を返納しなければならない」という年齢制限の上限はありません。**
しかし、加齢による心身機能の変化が運転に影響を及ぼす可能性があるため、安全に運転を続けるための重要なルールが年齢ごとに定められています。
年齢 | 免許更新時に必要なこと |
70歳〜74歳 | 高齢者講習 |
75歳以上 | 高齢者講習 + 認知機能検査 |
75歳以上<br>(一定の違反歴がある場合) | 上記に加えて 運転技能検査(実車試験) |
75歳以上は必須。「認知機能検査」と「高齢者講習」とは?
70歳を過ぎると、免許更新のプロセスが少し変わります。特に75歳以上の方は、安全運転能力を確認するためのステップが加わります。
認知機能検査(75歳以上)
記憶力や判断力を測定するための簡易的な検査です。時計の絵を描いたり、いくつかの絵を記憶して後で回答したりといった内容で、約30分で終わります。 この結果によって、「認知症のおそれあり」「認知機能低下のおそれあり」「問題なし」の3つに分類され、その後の対応が変わります。
- 「認知症のおそれあり」と判定された場合: 医師の診断が必要となり、診断結果によっては免許の停止または取消しとなることがあります。
高齢者講習(70歳以上)
座学や運転適性検査、そして実際に教習所内のコースを運転するなど、ご自身の運転能力を客観的に再確認するための講習です。危険を予測する能力や、安全な運転操作について改めて学びます。
運転技能検査(75歳以上で対象者のみ)
2022年5月から導入された新しい制度です。更新前の一定期間内に、信号無視や速度超過といった特定の違反歴がある方が対象となります。教習所で実際に車を運転し、指示速度での走行や一時停止などの課題をクリアしなければ免許更新ができません。
もう一つの選択肢。「免許の自主返納」という決断
「運転に自信がなくなってきた」「家族に心配をかけたくない」 そう感じた時に検討したいのが、ご自身の意思で運転免許を返納する**「自主返納制度」**です。
これは決して後ろ向きな選択ではなく、ご自身と社会の安全を守るための、尊い決断です。
免許返納のメリット
- 交通事故の当事者になるリスクがなくなる: 何よりも大きなメリットです。ご自身や他者を傷つける心配から解放されます。
- 家族を安心させられる: 心配していたご家族にとって、返納は大きな安心材料となります。
- 様々な特典が受けられる: 多くの自治体で、免許返納者を支援する特典が用意されています。
【特典の例】 自治体によって内容は異なりますが、以下のようなものがあります。
- バスやタクシーの割引券・回数券の交付
- 金融機関での預金金利の上乗せ
- デパートや協力店での商品割引
免許返納に関する特典は、お住まいの自治体によって異なります。例えば、山口県防府市では、バスの割引乗車証などの支援策があります。詳しくは、お近くの警察署や役所のウェブサイトで確認してみましょう。
まだまだ安全に運転を続けるために。高齢ドライバーが心がけたい3つのこと
運転を続けると決めた方が、安全なカーライフを送るためにできることもたくさんあります。
① 定期的な自己チェックと健康管理
視力や聴力、反射神経など、運転に必要な能力が衰えていないか、定期的にご自身で意識することが大切です。体調が優れない日や、薬を飲んだ後は運転を控えるといった自己管理を徹底しましょう。
② 安全運転サポートカー(サポカー)の活用
近年、技術の進歩は目覚ましく、高齢者の運転を支援する機能が充実しています。
- 衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)
- ペダル踏み間違い時加速抑制装置 こうした「サポカー」への乗り換えも、安全対策として非常に有効です。
③ 運転する場面を限定する
「夜間や雨の日は運転しない」「高速道路は走らない」「慣れた道だけに絞る」など、ご自身の運転能力に合わせて運転する場面を限定することも、事故のリスクを減らす賢い方法です。
まとめ:年齢ではなく「能力」で判断を。家族での対話が第一歩
運転免許に「何歳まで」という法律上の上限はありません。しかし、安全に運転できる能力には、残念ながら個人差と加齢による変化が伴います。
最も大切なのは、この問題をタブー視せず、ご本人とご家族がオープンに話し合うことです。「危ないから、もうやめて!」と一方的に取り上げるのではなく、ご本人の尊厳と生活の必要性を尊重しながら、一緒に将来の移動手段を考える。
その対話こそが、安全で安心な未来への最も重要な第一歩となるでしょう。

編集者プロフィール

身元保証のけんさく編集部
月間数十件の身元保証・高齢者支援相談で培った実務知識を持つ専門編集者。
法律・介護・費用相場まで横断的に精通し、読者の「もしも」への備えをわかりやすく発信します。
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