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【介護老人保健施設(老健)の費用】月額いくら?自己負担額の目安と安く抑える4つの方法
更新日: 2025年09月04日
「病院から退院の許可は出たけど、すぐに自宅での生活は不安…」 「在宅復帰に向けて、集中的にリハビリができる施設はないだろうか?」
そんな、病院と自宅の“中間施設”としての役割を担うのが、「介護老人保健施設(通称:老健)」です。
しかし、利用を考えたときに一番気になるのが「費用は一体いくらかかるの?」という点ではないでしょうか。
この記事では、老健の利用にかかる費用の目安から、その詳しい内訳、そして費用負担を賢く抑えるための具体的な方法まで、分かりやすく徹底解説します。
老健とは?「特養」との違いを理解しよう
まず大切なのは、老健が「在宅復帰を目指すリハビリ施設」であるという点です。生涯にわたって入居する「特別養護老人ホーム(特養)」とは目的が異なります。
- 老健(介護老人保健施設):
- 目的: リハビリによる在宅復帰
- 入所期間: 原則3〜6ヶ月程度の短期間
- 特徴: 医師やリハビリ専門職(理学療法士など)が常駐し、医療ケアとリハビリが充実
- 特養(特別養護老人ホーム):
- 目的: 生活全般の介護(終の棲家)
- 入所期間: 長期間
- 特徴: 介護職員が中心となり、日常生活のサポートを行う
老健の費用目安:月額いくらかかる?
老健の費用は、要介護度やお部屋のタイプ(個室か多床室か)によって異なりますが、一般的な自己負担額の目安は以下の通りです。
部屋タイプ | 要介護度 | 月額費用の目安(自己負担1割の場合) |
多床室 | 要介護1〜2 | 約8〜10万円 |
要介護3〜5 | 約9〜11万円 | |
個室 | 要介護1〜2 | 約12〜15万円 |
要介護3〜5 | 約13〜16万円 |
※上記は居住費・食費・介護サービス費を含んだ概算です。この他に、医療費や日用品費などが別途かかります。
費用の主な内訳
- ① 介護サービス費: 介護保険が適用され、自己負担は原則1割(所得に応じて2〜3割)。要介護度が高いほど費用も高くなります。
- ② 居住費: お部屋代のこと。多床室か個室かで大きく変わります。
- ③ 食費: 1日3食の費用です。
- ④ その他: 日常生活費(理美容代など)や、医療費(往診や薬代など)が別途かかります。
【重要】老健の費用負担を安く抑える4つの方法
「思ったより高い…」と感じた方もご安心ください。費用負担を軽減するための公的な制度があります。
方法①:介護保険を利用する(必須)
老健の利用には、市区町村から**「要介護1以上」**の認定を受けることが必須です。これにより、介護サービス費の9割(または7〜8割)が保険から給付され、自己負担が大幅に軽減されます。
方法②:「負担限度額認定」を申請する
所得が低い方(住民税非課税世帯など)を対象に、居住費と食費の自己負担額に上限(限度額)が設けられる制度です。
- 申請先: お住まいの市区町村の介護保険担当課
- 効果: この認定を受けると、月々の負担額が数万円単位で安くなる可能性があります。必ず確認・申請しましょう。
方法③:「高額介護サービス費」制度を利用する
同じ月に支払った介護保険サービスの自己負担額の合計が、所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
方法④:世帯分離を検討する
これは少し専門的な方法ですが、親と子が同居している場合などに、住民票の世帯を分ける「世帯分離」を行うことで、親御さんの世帯が住民税非課税世帯となり、「負担限度額認定」の対象になるケースがあります。ただし、国民健康保険料など他の負担が増える可能性もあるため、必ず市区町村の窓口や専門家に相談の上、慎重に検討してください。
失敗しない老健の選び方:3つのチェックポイント
費用だけでなく、サービスの質も見極めることが重要です。
1. リハビリ体制は充実しているか?
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったリハビリ専門職が十分に配置されているか。
- 個別リハビリの時間はどのくらい確保されているか。
- 在宅復帰に向けた具体的なプログラム(家屋調査や生活指導など)があるか。
2. 医療・看護体制は安心できるか?
- 医師が常勤しているか、あるいはどのくらいの頻度で関わっているか。
- 夜間の看護・介護スタッフの配置人数は十分か。
- 受け入れ可能な医療処置の範囲はどこまでか(胃ろう、たん吸引など)。
3. 施設見学で「空気感」を確かめる
必ず施設を見学し、以下の点をご自身の目で確認しましょう。
- 施設の雰囲気: 明るく、清潔感があるか。
- スタッフの様子: 入所者への接し方は丁寧か。スタッフ同士の連携は取れているか。
- 入所者の表情: 穏やかに過ごしているか。リハビリに意欲的に取り組んでいるか。
山口県防府市周辺にも、リハビリ特化型や認知症ケア強化型など、特色の異なる複数の老健があります。まずは見学を予約し、実際に足を運んでみることが、最適な施設選びの第一歩です。
まとめ:正しい知識で、最適な在宅復帰のステップを
介護老人保健施設(老健)は、病院から自宅へスムーズに移行するための大切なリハビリ拠点です。
- 老健は「在宅復帰を目指す」短期入所施設。
- 月額費用は8万〜16万円が目安だが、「負担限度額認定」などで安くできる。
- 選ぶ際は、リハビリと医療体制の充実度を必ずチェックする。
費用や制度について分からないことがあれば、一人で悩まず、まずは病院のソーシャルワーカーや担当のケアマネージャーに相談してみましょう。正しい知識を持って、ご本人にとって最適な施設を選び、安心して在宅復帰を目指せる環境を整えてあげましょう。

編集者プロフィール

身元保証のけんさく編集部
月間数十件の身元保証・高齢者支援相談で培った実務知識を持つ専門編集者。
法律・介護・費用相場まで横断的に精通し、読者の「もしも」への備えをわかりやすく発信します。
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