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親の認知症、進行を緩やかにするために。家族が今日からできる6つの生活習慣
更新日: 2025年09月04日
「最近、親の物忘れが急に進んだ気がする…」 「認知症の進行を、少しでも穏やかにすることはできないだろうか…」
大切なご家族が認知症と診断されたとき、その進行に心を痛め、不安に思うのは当然のことです。認知症の進行を完全に止めることは、現代の医療ではまだ難しいのが現実です。
しかし、進行のスピードを緩やかにし、ご本人が穏やかな日々を少しでも長く過ごせるように、ご家族がサポートできることはたくさんあります。
この記事では、認知症の進行を加速させてしまう「きっかけ」を解説するとともに、ご家族が今日から実践できる「6つの生活習慣」を具体的にお伝えします。
【原因を知る】認知症の進行を早める「3つの引き金」
認知症は、脳の病気そのものだけでなく、生活の中の様々な「きっかけ」によって症状が急激に悪化することがあります。まずはその代表的な引き金を知っておきましょう。
- 環境の変化: 入院、施設への入所、引っ越しなど、住む環境や生活リズムが大きく変わることは、ご本人にとって大きなストレスとなり、混乱から症状を進行させます。
- 心身の不調: 肺炎や尿路感染症などの感染症、脱水、栄養不足、便秘といった身体の不調は、脳の働きに直接影響を与えます。また、服用している薬の副作用や飲み合わせが原因の場合もあります。
- 精神的なストレス: 家族との口論や役割を失ったことによる孤独感、親しい人との死別といった出来事は、心の負担となり症状を悪化させることがあります。
これらの引き金を避ける、あるいは早期に対処することが、進行を穏やかにするための第一歩です。
【実践編】認知症の進行を緩やかにする6つの生活習慣
ご家族の関わり方ひとつで、ご本人の生活の質は大きく変わります。焦らず、できることから始めてみましょう。
🍽️ 習慣1:脳が喜ぶ食事を心がける
栄養バランスの取れた食事は、脳の健康の基本です。
- 魚・野菜・ナッツ類を食卓に: 青魚に含まれるDHA・EPA(オメガ3脂肪酸)や、緑黄色野菜の抗酸化物質は、脳の機能をサポートすると言われています。
- 水分補給を忘れずに: 高齢者は脱水になりやすい傾向があります。こまめな水分補給を促しましょう。
- 一緒に食事を楽しむ:「美味しいね」と会話しながら食事を共にすることが、何よりの栄養になります。
🚶♀️ 習慣2:無理のない運動を続ける
適度な運動は、脳の血流を良くし、心のリフレッシュにもつながります。
- お散歩が一番: 天気の良い日に一緒に近所を散歩するだけで十分です。日光を浴びることは、生活リズムを整える上でも効果的です。
- 家の中でできること: ラジオ体操や、椅子に座ったままでの足踏みなど、簡単な動きでも毎日続けることが大切です。
😴 習慣3:質の良い睡眠を確保する
睡眠は、脳が休息し、記憶を整理するための大切な時間です。
- 生活リズムを整える: 毎日なるべく同じ時間に起き、同じ時間に寝ることを意識しましょう。日中に適度に活動し、太陽の光を浴びることが、夜の良い眠りにつながります。
- 安心できる寝室環境: 寝室は暗く静かにし、ご本人が安心して休める環境を整えましょう。
👨👩👧👦 習慣4:人との交流・会話を楽しむ
社会的孤立は認知症を進行させる大きな要因です。
- 積極的に話しかける: 一方的に話すのではなく、ご本人が関心のある話題(昔の仕事、趣味など)について質問し、ゆっくりと耳を傾けましょう。
- 役割をお願いする: 「洗濯物をたたむのを手伝ってくれる?」など、簡単な役割をお願いすることで、ご本人の自尊心を保ち、社会参加の意識を高めます。
- デイサービスの活用: 同世代の仲間と交流できるデイサービスは、良い刺激になります。
🧠 習慣5:頭を使う習慣を持つ(脳トレ)
脳に適度な刺激を与えることは、機能の維持に役立ちます。
- 楽しむことが最優先: 計算ドリルやパズルも良いですが、ご本人が嫌がるなら逆効果です。
- 生活の中の脳トレ: 一緒に料理をする、新聞を音読する、カレンダーをめくる、昔の写真を見て思い出話をするなど、日常のあらゆる場面が脳トレになります。
❤️ 習慣6:心の安定を保つ(ストレス管理)
ご本人が安心して穏やかに過ごせる環境づくりが、何よりも大切です。
- 叱らない、否定しない: 間違いを指摘したり、できないことを責めたりせず、まずは気持ちを受け止めましょう。
- 笑顔で接する: 介護するご家族の笑顔は、ご本人にとって一番の安心材料です。
- 好きなことをする時間: 音楽を聴いたり、庭いじりをしたり、ご本人が好きでリラックスできる時間を作りましょう。
【特に注意】入院が認知症進行の大きなきっかけに
怪我や他の病気による入院は、認知症の進行を加速させる最も大きなきっかけの一つです。もし入院が必要になった場合は、以下の点を心がけましょう。
- できるだけ頻繁に顔を見せる: 家族の顔を見ることは、何よりの安心につながります。
- 愛用品を持ち込む: 使い慣れた枕や写真など、自宅の匂いがするものを置くと、混乱が和らぎます。
- 医療スタッフとの情報共有: ご本人の普段の様子や性格、接し方のコツなどを看護師に詳しく伝えておくことが、適切なケアにつながります。
まとめ:焦らず、できることから。家族の関わりが一番の薬です
認知症の進行を前にして、ご家族は焦りや無力感を感じてしまうかもしれません。しかし、今回ご紹介した6つの習慣は、どれも特別なことではありません。
バランスの良い食事、適度な運動、そして何よりも、ご家族の温かいコミュニケーションと笑顔。 それこそが、ご本人の心の安定と脳の健康を支える、何よりの「薬」となります。
すべてを完璧に行う必要はありません。まずは一つでも、できそうなことから始めてみてください。そして、ご家族だけで抱え込まず、お住まいの地域、例えば山口県防府市であれば、市の高齢福祉課や各地域の地域包括支援センターなどが、認知症に関する最初の相談窓口として頼りになります。専門家の力も借りながら、チームで支えていきましょう。

編集者プロフィール

身元保証のけんさく編集部
月間数十件の身元保証・高齢者支援相談で培った実務知識を持つ専門編集者。
法律・介護・費用相場まで横断的に精通し、読者の「もしも」への備えをわかりやすく発信します。
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