身元保証のけんさく
「今の介護度が合わない…」と感じたら。要介護認定の区分変更申請、最適なタイミングと手続きのすべて

「今の介護度が合わない…」と感じたら。要介護認定の区分変更申請、最適なタイミングと手続きのすべて

更新日: 2025年09月04日

「最近、親の様子が変わり、今の介護サービスでは足りない気がする…」 「入院前より元気になったけど、サービスはこのままでいいのだろうか?」

介護保険サービスを利用する中で、ご本人の心身の状態は常に変化します。そんな時、「今の要介護認定が、実態と合っていないのでは?」と感じることはありませんか?

そのお悩みを解決する手続きが「区分変更申請」です。この記事では、区分変更申請をすべき最適なタイミングから、具体的な手続きの流れ、そして混同しやすい「更新申請」との違いまで、分かりやすく解説します。

結論:区分変更申請は、認定の有効期間中なら「いつでも」可能!

まず最も重要な結論から。要介護認定の区分変更申請は、現在の認定有効期間が切れるのを待つ必要はなく、ご本人の状態に変化があったと判断した時点で、原則としていつでも申請することができます。

そもそも「区分変更申請」とは?

区分変更申請とは、認定されている要介護度(要支援度)が、現在の心身の状態に合わなくなった場合に、有効期間の途中で認定の見直しを求める手続きのことです。

「更新申請」との違い早わかり比較表

よく混同されがちな「更新申請」との違いを整理しましょう。

区分変更申請

更新申請

申請のタイミング

有効期間の途中で、状態が変化したとき

有効期間が満了する前(通常60日前から)

申請のきっかけ

利用者・家族側からの申し出

市区町村からの通知

目的

現在の状態に合ったサービス内容への見直し

介護サービスの継続利用

【重要】区分変更を申請すべき4つのベストタイミング

では、具体的にどのような時に区分変更申請を検討すべきなのでしょうか。代表的な4つのタイミングをご紹介します。

タイミング①:心身の状態が大きく変化したとき(悪化・改善)

  • 【悪化した例】病状が進行し、これまで一人でできていたトイレや着替えに介助が必要になった。
  • 【改善した例】リハビリの効果で、杖を使えば一人で歩けるようになった。 このように、必要な介護の量が変わったときが、最も一般的な申請のタイミングです。

タイミング②:長期入院から退院するとき

入院中は医療保険が適用されますが、退院後は介護保険サービスが必要になります。入院によって心身の状態は大きく変化していることが多いため、退院後の生活を見据えて、退院前に区分変更申請を行うのが理想的です。

タイミング③:今のサービスでは不十分・または過剰だと感じたとき

「デイサービスの回数を増やしたいけど、今の介護度では区分支給限度額を超えてしまう」「ヘルパーさんの援助がなくても大丈夫になった」など、現在利用しているサービス内容に過不足を感じたときも、申請を検討するタイミングです。

タイミング④:介護をする家族の状況が変わったとき

「同居していた家族が仕事の都合で家を離れることになった」「介護していた家族が体調を崩してしまった」など、介護者の状況が変わり、より多くの公的サービスが必要になった場合も、申請の理由となります。

申請から認定までの6ステップ【手続きの流れ】

区分変更申請は、基本的に以下の流れで進みます。

  1. 相談・申請書の準備: まずは担当のケアマネージャーに相談します。その後、お住まいの市区町村の介護保険担当課で申請書を入手します。 (※例えば、山口県防府市にお住まいの方は、市役所の高齢福祉課が担当窓口となります。)
  2. 申請書の提出: 必要事項を記入し、介護保険被保険者証などを添えて窓口に提出します。
  3. 訪問調査(認定調査): 市区町村の調査員がご自宅や施設を訪問し、ご本人の心身の状態について聞き取り調査を行います。
  4. 主治医意見書の作成依頼: 市区町村から主治医へ、医学的な観点からの意見書作成が依頼されます。
  5. 審査・判定: 訪問調査の結果と主治医意見書を元に、専門家で構成される「介護認定審査会」で審査が行われ、新しい要介護度が判定されます。
  6. 結果の通知: 申請から原則30日以内に、結果が記載された新しい「介護保険被保険者証」が郵送で届きます。

区分変更申請の注意点【Q&A】

Q1. 申請中に今のサービスは使えなくなるの? A1. いいえ。新しい認定結果が出るまでは、現在の要介護度で引き続きサービスを利用できますのでご安心ください。

Q2. 申請すれば必ず介護度は上がりますか? A2. いいえ、必ずしも上がるとは限りません。審査の結果、「変わらない(却下)」、あるいは状態が改善していると判断されれば**「下がる」**可能性もあります。申請前に、状態の変化についてケアマネージャーとよく相談することが重要です。

まとめ:状態の変化を見逃さず、最適な介護サービスを受けましょう

ご本人の心身の状態は、日々少しずつ変化していくものです。その変化に合わせて介護サービスの内容を柔軟に見直していくことが、ご本人のQOL(生活の質)の向上と、ご家族の負担軽減に直結します。

  • 区分変更申請は、認定の有効期間中ならいつでも可能。
  • 「状態が変わったな」と感じたときが、申請を検討するサイン。
  • 申請を迷ったら、まずは担当のケアマネージャーに相談を。

介護保険制度を上手に活用し、常にその人にとって最適なサポートが受けられる環境を整えていきましょう。

身元保証のけんさく
編集者プロフィール
身元保証のけんさく編集部

身元保証のけんさく編集部

月間数十件の身元保証・高齢者支援相談で培った実務知識を持つ専門編集者。
法律・介護・費用相場まで横断的に精通し、読者の「もしも」への備えをわかりやすく発信します。

PR
イチロウイチロウmirai speakermirai speakervillage housevillage houseおやとこおやとこ相続ナビ相続ナビnocosnocos