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行政書士と司法書士、どちらに相談すべきか?判断基準と選び方
更新日: 2025年09月10日
相続手続きや会社設立、契約書の作成など、法律に関わる手続きで専門家の助けが必要なとき、「行政書士と司法書士、どちらに相談すればいいのだろう?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この2つの士業は、似ているようで専門分野や業務範囲が異なります。適切な専門家を選ぶことが、問題をスムーズに解決する鍵となります。この記事では、行政書士と司法書士の役割の違い、そしてケースごとの選び方を解説します。
行政書士と司法書士の業務範囲
それぞれの専門分野を理解することが、適切な相談先を選ぶための第一歩です。
1. 行政書士の主な業務:行政手続きの専門家
行政書士は、官公署(国や地方公共団体)に提出する書類の作成や提出手続きの代理を専門としています。
- 許認可申請: 飲食店や建設業の開業許可、風俗営業許可、古物商許可など、ビジネスに必要な許認可の申請をサポートします。
- 法人設立: 株式会社やNPO法人の設立に必要な書類を作成し、手続きを代行します。
- その他: 遺言書や契約書の作成、外国人の在留資格(ビザ)の申請、帰化申請など、幅広い法律関連の書類作成を行います。
行政書士は、書類作成を通じて行政との橋渡し役を担います。
2. 司法書士の主な業務:登記手続きの専門家
司法書士は、登記や裁判に関する手続きを専門に扱います。
- 登記業務: 不動産の売買や相続に伴う所有権移転登記、会社の設立や役員変更に関する商業登記などを行います。
- 相続手続き: 遺産分割協議書の作成や、相続した不動産の名義変更(相続登記)をサポートします。
- 簡易裁判所の代理: 140万円以下の少額訴訟や簡易な裁判手続きにおいて、クライアントの代理人として活動できます。
司法書士は、**財産や権利の変動を法的に記録する「登記」**のスペシャリストです。
どちらに相談すべきか?ケース別の判断基準
ご自身の相談内容に合わせて、適切な専門家を選びましょう。
- 行政機関への手続きが必要な場合:行政書士
- 例:これから飲食店を開業したいので、営業許可申請の書類作成を手伝ってほしい。
- 例:外国人の社員を雇用するので、在留資格の申請を依頼したい。
- 例:NPO法人を設立したい。
- 登記や裁判手続きが必要な場合:司法書士
- 例:親が亡くなったので、相続した不動産の名義変更(相続登記)をしたい。
- 例:新しく会社を設立するので、商業登記を依頼したい。
- 例:少額の貸付金の返済を求めて、裁判所に訴訟を起こしたい。
信頼できる専門家を選ぶためのポイント
適切な専門家を見つけるためには、以下のポイントを参考にしてください。
- 専門性と実績: 相談内容に特化した実績を持つ専門家を選びましょう。ウェブサイトやSNSで、過去の業務実績や得意分野を確認することが有効です。
- 料金体系の明確さ: 依頼する前に、料金体系や見積もりについて詳しく説明してもらいましょう。料金が不明瞭な専門家は避けるべきです。
- コミュニケーション: 質問や不明点に対して、丁寧で分かりやすい説明をしてくれるかどうかも重要な判断基準です。
まとめ
行政書士は主に行政手続きや書類作成のプロ、司法書士は登記手続きや簡易裁判のプロです。
どちらに相談すべきか迷った場合は、まずはご自身の状況を整理し、「行政機関への手続きか、登記や裁判の手続きか」を判断基準にしてください。
そして、専門性、料金体系、コミュニケーションのしやすさを考慮して、信頼できる専門家を見つけることが、問題解決への第一歩となります。

編集者プロフィール

身元保証のけんさく編集部
月間数十件の身元保証・高齢者支援相談で培った実務知識を持つ専門編集者。
法律・介護・費用相場まで横断的に精通し、読者の「もしも」への備えをわかりやすく発信します。