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エコノミー症候群の予防と対策|飛行機・デスクワークで使える5つのセルフケアを専門家が解説
更新日: 2025年09月04日
長時間のフライトや新幹線での移動、あるいは連日のデスクワークの後、「足がパンパンにむくんで痛い…」と感じたことはありませんか?
それは、単なる疲れではなく、命に関わることもある「エコノミー症候群」のサインかもしれません。
エコノミー症候群は、特別な病気ではなく、正しい知識と少しの工夫で誰でも予防できる症状です。この記事では、エコノミー症候群の正体から、今日からすぐに実践できる具体的な予防策、そして万が一の時の対処法まで、専門家の視点で分かりやすく解説します。
あなたは大丈夫?エコノミー症候群リスク度セルフチェック
長時間の移動やデスクワークの予定がある方は、まずご自身のリスク度をチェックしてみましょう。
- [ ] 飛行機や新幹線、バスで4時間以上移動することがある
- [ ] 毎日4時間以上、座りっぱなしで仕事をしている
- [ ] 最近、運動不足だと感じている
- [ ] 水分をあまり摂らない方だ
- [ ] 肥満気味である
- [ ] 妊娠中、または産後間もない
- [ ] 50歳以上である
- [ ] 過去に血栓ができたことがある、または家族にいる
3つ以上当てはまった方は、特に注意が必要です。具体的な予防策をしっかり確認していきましょう。
そもそもエコノミー症候群とは?【命に関わることも】
エコノミー症候群の医学的な正式名称は**「深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)」**。長時間同じ姿勢でいることで足の血流が悪くなり、足の深い部分にある静脈に血の塊(血栓)ができてしまう病気です。
危険なのは「肺塞栓症」
本当に怖いのは、この足にできた血栓が、歩き出した時などに血流に乗って肺に到達し、肺の血管を詰まらせてしまう**「肺塞栓症(はいそくせんしょう)」**です。突然の胸の痛みや呼吸困難を引き起こし、最悪の場合、命を落とす危険性があります。
こんな症状が出たら要注意!すぐに医療機関へ
- 【足の症状】 片方の足だけがパンパンに腫れる、ふくらはぎに強い痛みや圧迫感がある、皮膚が赤っぽくなる
- 【肺の症状】 突然の胸の痛み、息切れ、呼吸が苦しい、失神する
これらの症状、特に肺の症状が出た場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。
【実践編】今日からできる!エコノミー症候群 5つの予防策
エコノミー症候群は、簡単なセルフケアで十分に予防できます。
予防策①:こまめに動く・ストレッチする
最低でも1時間に1回は、体を動かすことを意識しましょう。
- 立ち上がって歩く: トイレに行く、少し歩き回るなど、数分でも効果があります。
- 座ったままできる足の運動(図解イメージ):
- かかとを床につけたまま、つま先をゆっくり上げ下げする。(10回)
- つま先を床につけたまま、かかとをゆっくり上げ下げする。(10回)
- 足首を内側・外側にゆっくり回す。(各5回)
- ふくらはぎを軽くもむ。
予防策②:上手な水分補給(NGな飲み物も)
脱水は血液をドロドロにし、血栓のリスクを高めます。飛行機の中など乾燥した場所では特に注意が必要です。
- 何を飲む?: 水やお茶(麦茶などカフェインの少ないもの)を、1時間にコップ1杯程度を目安にこまめに飲みましょう。
- 避けるべき飲み物: アルコールやコーヒー、紅茶、緑茶などカフェインの多い飲み物は、利尿作用があり逆に脱水を進めてしまうため、飲み過ぎに注意しましょう。
予防策③:弾性ストッキングを活用する
足首からふくらはぎにかけて適度な圧力をかける**「弾性(着圧)ストッキング」**は、足の血流を助け、血栓予防に非常に効果的です。薬局やインターネットで購入できますので、長距離移動の際はぜひ活用しましょう。
予防策④:ゆったりとした服装を心がける
体を締め付ける服装は血行を妨げます。ウエスト周りが楽なズボンや、ゆったりとした服装を選び、ベルトをきつく締めすぎないようにしましょう。
予防策⑤:フライト・長距離移動前の準備
- 座席の指定: 可能であれば、立ち上がりやすい通路側の席を選びましょう。
- 事前の体調管理: 日頃からウォーキングなどの軽い運動を習慣にし、血行の良い体を維持しておくことが最大の予防になります。
特に注意が必要なハイリスクな人とは?
冒頭のチェックリストにもあったように、以下に該当する方は通常よりリスクが高いため、特に念入りな対策が必要です。
- 過去に血栓症になったことがある方
- 肥満の方、高齢(50歳以上)の方
- 妊娠中・産後の方、経口避妊薬(ピル)を服用中の方
- 大きな手術を受けた後の方
- 悪性腫瘍(がん)の治療中の方
これらの条件に当てはまる方は、長距離移動の前に一度かかりつけ医に相談することをお勧めします。
まとめ:正しい知識でエコノミー症候群を防ぎ、快適な移動を
エコノミー症候群は、決して飛行機の中だけで起こる特別な病気ではありません。私たちの日常生活の中に潜む、身近なリスクです。
- 長時間同じ姿勢を避ける(1時間に1回は動く)
- 水分補給は水か麦茶でこまめに
- ゆったりした服装を心がける
- 足の腫れや胸の痛みなど、危険なサインを見逃さない
正しい知識と少しの工夫で、エコエミー症候群は十分に予防できます。快適な旅行や健康的なデスクワークのために、ぜひ今日からこれらの対策を実践してみてください。

編集者プロフィール

身元保証のけんさく編集部
月間数十件の身元保証・高齢者支援相談で培った実務知識を持つ専門編集者。
法律・介護・費用相場まで横断的に精通し、読者の「もしも」への備えをわかりやすく発信します。
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