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【新人ケアマネ必見】ケアプラン作成の全手順|アセスメントからモニタリングまで5ステップで徹底解説

【新人ケアマネ必見】ケアプラン作成の全手順|アセスメントからモニタリングまで5ステップで徹底解説

更新日: 2025年09月04日

「ケアマネジャーになったけど、ケアプランって何から手をつければいいの?」 「利用者さんのための、本当に良い計画書を作りたい!」

ケアプラン(介護サービス計画書)の作成は、ケアマネージャーの業務の中核であり、専門性が最も問われる仕事の一つです。利用者一人ひとりの生活を支えるための、まさに「設計図」と言えるでしょう。

この記事では、新人ケアマネージャーの方や、改めて基本を確認したい方のために、ケアプラン作成の基本的な流れを、アセスメントからモニタリングまで5つのステップに分け、それぞれのポイントを分かりやすく解説します。

まずは基本!「ケアプラン」と「施設サービス計画書」の違い

まず、混同しやすい2つの計画書を整理しましょう。

計画書の種類

ケアプラン(居宅サービス計画書)

施設サービス計画書

対象者

在宅で介護サービスを利用する方

介護施設に入所している

作成者

居宅介護支援事業所のケアマネージャー

施設の計画作成担当者(ケアマネージャー)

目的

在宅での自立した生活を支えるための計画

施設内での生活全般を支えるための計画

作成する場面は異なりますが、「利用者本位の計画を立てる」という本質と、作成の基本的なプロセスは共通しています。

ケアプラン作成の基本5ステップ

ここからは、ケアプラン作成の具体的な流れを5つのステップで見ていきましょう。

Step1:アセスメント(課題分析)- 利用者を深く知る

ケアプラン作成の出発点であり、最も重要なプロセスです。

  • 情報収集: ご自宅を訪問し、利用者ご本人とご家族に面談します。身体状況や生活環境、日々の暮らしぶり、そして**「これからどんな生活を送りたいか」という意向や願い**を丁寧に聞き取ります。
  • 課題の明確化: 収集した情報をもとに、ご本人が望む生活を実現する上で、どのような課題(ニーズ)があるのかを客観的に分析・整理します。

💡ポイント: アセスメントは「できないこと」を探す作業ではありません。ご本人の「できること(強み)」や「やりたいこと」にも目を向け、それらを活かす視点が大切です。

Step2:目標設定 - 利用者と家族の「なりたい姿」を描く

アセスメントで明確になった課題に基づき、利用者・家族と一緒に具体的な目標を設定します。

  • 長期目標: 「住み慣れた自宅で、穏やかに暮らし続けたい」といった、最終的に目指す大きな目標。
  • 短期目標: 長期目標を達成するために、数ヶ月単位で達成を目指す具体的な目標。「週に1回、デイサービスに通って体操に参加する」「杖を使って、一人でトイレまで歩けるようになる」など。

💡ポイント: 目標は、ケアマネージャーが一方的に決めるものではありません。必ずご本人の自己決定を尊重し、意欲を引き出すようなポジティブな言葉で設定しましょう。

Step3:サービス担当者会議とサービス選定 - 最強のチームを作る

設定した目標を達成するために、どのような社会資源(介護サービス)が必要かを検討し、具体的なサービスを選定します。

  • サービス担当者会議の開催: 利用者・家族に加え、実際にサービスを提供する訪問介護やデイサービスの担当者、主治医などを招集し、目標や支援方針を共有する会議を開きます。
  • サービス内容・頻度の検討: 会議での意見をもとに、「週2回の訪問介護で入浴介助を」「週1回のデイサービスで機能訓練を」といった具体的なサービス内容と頻度をケアプランの原案に落とし込んでいきます。

Step4:ケアプランの作成と交付 - 想いを形にする

サービス内容が決まったら、それを正式な「介護サービス計画書」の様式に沿って作成します。

  • 第1表:総合的な援助の方針
  • 第2表:生活全般の解決すべき課題(ニーズ)と長期・短期目標、サービス内容
  • 第3表:週間サービス計画表 …など、定められた様式に沿って、誰が読んでも分かりやすい言葉で具体的に記入します。作成したプランは、利用者・家族に説明し、内容に同意を得た上で交付します。

Step5:モニタリングと再評価 - 計画を「生きもの」として育てる

ケアプランは、一度作ったら終わりではありません。計画通りにサービスが提供されているか、目標は達成できそうかを定期的に確認します。

  • 定期的な訪問・面談: 月に一度は利用者のご自宅を訪問し、サービスの利用状況や心身の変化、新たな要望などを確認します(モニタリング)。
  • 計画の見直し: モニタリングの結果、計画と実態にズレが生じている場合や、目標が達成された場合は、必要に応じてケアプランを見直し、再作成します。

良いケアプランを作成するための3つの心得

  1. 主語は常に「利用者さん」 「〜してもらう」ではなく、「〜できるようになる」「〜を楽しむ」など、常にご本人が主体となる言葉で書きましょう。
  2. チームケアの意識を持つ ケアマネージャーはオーケストラの指揮者のような存在です。各サービス事業者が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、密な連携と情報共有を心がけましょう。
  3. 根拠法令を理解する ケアプラン作成は、介護保険法に基づいて行われます。なぜこのプロセスが必要なのか、法令の目的を理解することで、より質の高い計画書作成につながります。

まとめ:ケアプランは、利用者とケアマネの共同作業

ケアプラン作成は、ケアマネージャーの専門性が最も問われる仕事の一つですが、同時に最もやりがいのある仕事でもあります。

今回ご紹介した5つのステップは、いわばケアプラン作成の「型」です。しかし、本当に良いプランとは、マニュアル通りに作るものではなく、利用者やご家族と何度も対話を重ね、一緒に作り上げていくものです。

利用者とその家族の笑顔を思い浮かべながら、あなたの専門性と温かい心で、世界に一つだけの最高のケアプランを作成してください。

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編集者プロフィール
身元保証のけんさく編集部

身元保証のけんさく編集部

月間数十件の身元保証・高齢者支援相談で培った実務知識を持つ専門編集者。
法律・介護・費用相場まで横断的に精通し、読者の「もしも」への備えをわかりやすく発信します。

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